こんばんは。ヨシパパです。
以前に「日本化粧品検定は就職活動でアピールになるのかを化粧品会社の中の人が考察!」の記事で紹介した化粧品に関する検定の第2弾です。
今回は化粧品の成分に着目した化粧品成分検定を紹介していきます。
化粧品成分検定とは
化粧品成分検定とは、一般社団法人化粧品成分検定協会(CILA)が実施する民間の検定試験です。
歴史はまだ浅く、第1回試験は2015年の6月に開催されました。
化粧品成分検定とは、普段利用している化粧品に記載されている全成分の情報、及びパッケージに記載されている情報を正しく理解しているかを測る検定試験です。
試験の学習を通じて、自分自身の肌質に合った化粧品や、目的に合った化粧品を正しく選べるようになります。
主催者サイト:CILA 化粧品成分検定協会 | CILA 化粧品成分検定協会
化粧品成分検定について本音で一言
分かりづらい化粧品の成分表示を正しく読み取るための知識を身に付けるにはおすすめの検定試験です。
自分で化粧品の良し悪し判断して肌に合った化粧品を購入できれば、化粧品メーカーの広告戦略に惑わされて無駄な高級品を購入することも減るでしょう。
ただし、趣味や自己啓発の延長です。得た知識を仕事に活かす機会はあっても、就職や転職が有利になるとは考えないようにしましょう。
化粧品成分検定と日本化粧品検定との違い
化粧品成分検定は、試験の学習を通して、化粧品のパッケージに書いてある成分を正しく理解できるようになる目的があります。
一方、日本化粧品検定では、基本的なメイクアップ方法、正しいお手入れなどの美容方法、薬機法(薬事法)などについて学びます。
これらは化粧品売り場などで、販売員や美容部員がお客様に化粧品をすすめする際に必要となる知識です。
どちらも3級であれば無料でネット受験できます。必要事項を登録すればすぐにその場で試験に挑戦できるので、興味のある人は是非挑戦してみてください。両試験の難易度の違いも分かるはずです。
将来性を徹底研究
- 化粧品の研究職に就きたいのであれば優秀な大学へ
将来化粧品を作る技術者になりということで化粧品成分検定を受験する高校生もいるようですが、ほとんど自己満足の世界です。取得するメリットは無いでしょう。
大手の化粧品会社に入社して化粧品の商品開発に関わる仕事に就きたいのであれば、なるべく優秀な大学の化学や生物系の学部へ進学してください。
さらに大学院まで進んで修士とか博士まで取得すれば就職は有利になります。
短期間の学習で誰でも取得できるような民間資格では就職・転職は有利になりません。これが現実です。
あるいは、できるだけ優秀な大学の薬学部へ進学して薬剤師の国家資格を取得するのもよいでしょう。
関連資格:薬剤師とは
大手化粧品会社に就職するのが目標であれば、高校生のうちにできることは良い大学へ行けるように日々の学校の勉強に力を入れることです。
高校生のうちに何か資格が欲しいのであれば、危険物取扱者乙四です。
関連資格:危険物取扱者とは
化粧品に含まれるアルコール類は、ガソリンや灯油と同じく危険物に指定されています。事業所に1人以上有資格者が必要になるので、持っていれば役立つ可能性はあります。
- 自分で成分を理解できるのがいいかも
化粧品には「全成分表示」というルールがあって、含まれる成分は全て表示されています。
けれど、全成分が表示されていたとしても、内容が正しく理解できなければ、読んでも意味はありません。
化粧品成分検定とは、化粧水や美容液といった普段購入している化粧品に記載されている全成分の情報や、パッケージに記載されている情報を読み解けるように導くための検定試験です。
試験の学習を通して化粧品に関する正しい知識が身に付けば、自ら必要な目的にあった化粧品を正しく選択できるようになります。
自身の肌に合う成分、合わない成分を多少なりとも見極められれば、化粧品会社の広告戦略に惑わされることなく、自分に合った化粧品を購入できるようになるでしょう。
化粧品は肌に直接触れるので健康被害にもつながります。自分の肌を守るために正しい知識を得るには化粧品成分検定で得た知識は役立つでしょう。
- 怪しい民間資格がいっぱい
こういった美容にまつわるような分野には、怪しいナゾの民間資格がいっぱい存在しているので注意してください。
少し調べただけでも、10は軽く超える程度にありました。
- スキンケアマイスター
- スキンケアカウンセラー
- 日本メイクアップ技術検定
- メイクアップアドバイザー検定
- メイクセラピー検定
- メンタルメイクセラピスト検定
- ナチュラルビューティスタイリスト検定
- 美容薬学検定
- 健康食品コーディネーター
- コスメマイスター
どれも難易度は低いです。これらの検定試験に合格したところで、果たして就職や転職に役立つのかと言われるとかなり疑問です。
「文部科学省後援」をウリにしているモノもありますが、申請すれば普通に「後援」は得られます。
中には、テキストや対策講座の売上げや受験料、登録料、資格の更新料、入会金、年会費などで儲けている資格商法的なビジネスも少なからずあります(どこもそんな感じですけど)。
興味があって趣味の一環として学習するにはいいと思いますが、自分の将来に役立てようとは考えない方がいいでしょう。
結局お金と時間の無駄だった・・・ってなります。
(※日本化粧品検定のページと記事が一部重複しています。ご了承ください)
合格するには
化粧品成分検定は、難易度の低い順に、3級・2級・1級に分かれています。
学習する内容は、化粧品の成分情報やパッケージに記載された情報を読み解くことのできるレベルを目的としているので、かなり専門的です。とにかくカタカナだらけの化粧品の成分の繰り返しで理系の内容です。
3級は無料でいつでも主催者ホームページ上で受験できます。繰り返し挑戦できるので、何度も挑戦すれば合格できます。
ただ、化粧品・美容業界での実務経験がなければ3級でも難しく感じられるでしょう。逆に実務経験が豊富であれば1級でも比較的簡単に感じられるはずです。
必要な学習時間は、2級で約2か月ほど、1級で3か月くらいです。受験者の60%ほどは化粧品・美容業界の経験者を占めているので、合格率は1級、2級共に60~70%と高い数値です。
2級・1級ともに出題範囲は同じで、問題の質が異なってます。
2級は知識を問う問題が多く、テキストに書いてあることを暗記していればなんとかなります。
1級は応用力を問う出題が多く、テキストに書いてある内容だけでは解けません。2級の学習で覚えた知識を使って考える問題が多いです。
協会から出ている公式テキスト・問題集を何度も繰り返して学習して、足りない部分はネットを調べたり、実際に化粧品売り場で情報収集しましょう。
試験情報
試験日 | お申込み |
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年2回(6月、12月) | 試験実施月の前月下旬 |
受験資格 |
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受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。 |
試験内容 |
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受検料:1級 10,000円(税抜)2級 6,000円(税抜)3級 無料試験会場:東京、大阪、福岡 試験時間:1級 90分2級 70分知識の範囲: 【1級】化粧品の処方時に役立つ基礎知識を元に様々なパターンの全成分表を読み解くことができる。処方の背景、なぜその成分が配合されているかを大体理解できる。全成分表示の中で各成分が持つ役割を大体想像できるようになり、同じ役割を持つ別の成分と置き換えることができる。【2級】頻出の化粧品成分名、その種類・主な働きは、暗記できている。成分の表示名称、または成分の種類の穴埋めができる。全成分表示を見て、それがどのような化粧品をある程度判断できる。【3級】2級相当の問題 (成分知識のみ)10問・3択級レベル:【1級】全成分表示を読み解き、目的にあった化粧品を選ぶことができる。また、第三者にアドバイスができる。【2級】基本的な成分・パッケージ記載内容を理解でき、化粧品選びに役立てることができる。合否基準:正答率80% |
試験に関する詳しい情報は検定試験について | CILA 化粧品成分検定協会をご覧ください。
まとめ
私が保有する化粧品に関する検定としては化粧品検定と化粧品成分検定の2つです。
しかし、その二つを取得しておいてよかったと思ったことはほぼありません。
化粧品研究者の視点からするとすでに知ってるものばかりですし、上司に報告したところで「ふーん」となっておしまいです。
せいぜい、就職活動時のやる気アピール程度でしょう。
消費者として成分の中身が分かるようになれば多少分かった感じがだせるとは思います。