できる(であろう)ビジネスパーソンの成長方法!~守破離プロセスを踏もう~

こんばんは。ヨシパパです。

皆さんは守破離という考え方をご存じでしょうか?

守破離(しゅはり)とは、茶道や歌舞伎、剣道などの芸能や武道におけるプロセスを表す言葉です。まずは先人の教えを守るところから始まり、習得できたらその型を破る。最終的には独自に発展させ、型から離れた己のスタイルを確立する。この一連の流れをまとめて守破離と呼びます。

元は千利休の教えを和歌の形にした『利休道歌』(『利休百首』ともいう)に収められている一首、「規矩作法 り尽くして るとも るるとても 本を忘るな」に由来しているそうです。
簡単に現代語訳すると「決まりや作法を守り身につけ、改善・改良のために型破りをしても、元の型から離れて新たな型を創造したとしても、基本の型を忘れてはいけない」となります。

つまり、基本を大切にしなさいということですね。守破離の言葉が表す通り、独創性は大事ですが、いきなりオリジナリティを出しても思ったような結果は得られません。あらゆる物事には順序があります。段階的に少しずつ進化していくこと、そして常に初心を忘れず基本に忠実でいることが重要なのです。

私が実行していた守破離

私は小学生のころからサッカーをしていたのでその経験になぞらえて一例を紹介していきます。

監督・コーチから様々な指示をされていましたが、その中で「クリアボールはコーナーフラッグに向かって大きくける」というものがありました。(自陣のゴール前でボールを保持していると奪われてしまう可能性があるので、少しでも早くボールを遠くに異動させようとすることです。)

しかし、よくよく考えるとクリアボールは多くの場合相手にわたってしまう場合が多いです。そのため、自陣のゴール前でも味方にパスした方が良いのではないかと考えるようになりました。最初はとられてしまうこともありましたが、チームのみんなでパスを回すという共通意識を持つことで奪われることが少なくなりました。

上記のように

  • 守:監督・コーチの指示を守ってボールをクリアする
  • 破:クリアするのではなく味方につなぐ
  • 離:パスを回すというスタイルを作る

というプロセスを踏むことが守破離の流れになります。

ビジネスにおける守破離

守破離は仕事で成功するために必要なマインドの一つです。最初から何でもできる人はいません。ただ人によって3つのステップそれぞれにかかる時間の長短が違うだけです。

日本の企業では入社後しばらくはOJTという形で先輩社員に業務を教えてもらう場合が多いと思います。この期間で、その会社で必要なスキルや考え方について学びます。この期間が「守」に当たります。

先人たちがが試行錯誤して、失敗や成功を繰り返しながら積み重ねてきた技術や経験を教えていただくため、OJTの期間だけですべて身に着けることは不可能です。しかし、この一番基本の部分を疎かにすると破ることも離れることもできず、変なこだわりを持った仕事のできない社員が完成します。

千利休の和歌にある「基本」が詰まっているのも「守」の段階です。ここをおろそかにしては、強引に次の段階に進んだとしても上手くいきません。言い方を変えれば、この最初のステップをきちんとこなせる人こそ、ビジネスの場で活躍できる人なのです。

ここで注意してほしいのはOJTの先輩がちゃんとしているかどうかです。先輩が間違った知識を教えてくる可能性は0%ではありません。自分で調べることはもちろん同じことを複数の先輩社員に聞いてみてください。全く違うことをいう場合もあれば、同じ内容のことを違う言葉で説明する場合もあります。自分にとって理解しやすい先輩を見つけておくとあなた成長すべきししんとなるでしょう。

ある程度、自立して仕事が進められるようになってきたら次は基本を応用・発展させる「破」の段階に進みます。

守で学んだ基礎からよりよくするために課題を見つけ、自分で勉強した内容や大学で学んだ学問を仕事に活かして検討を行います。

そして解決策を探って一つひとつアプローチすることで、従来の型を良い意味で破るのです。この段階になって初めて新人を卒業し、一人前になれるのではないでしょうか。

型破りをするためには想像力が必要になります。基本の型や自分の知識や経験を組み合わせて応用する力です。想像力を働かせる方法は一つ。常に「なぜ」や「もし」を考えることです。これが型にはまらない新たな視点を生みます。

ここで求められるのは独創性です。とはいえ、ゼロから何か新しいものを創らなければいけないというわけではありません。既存の知識や一見関連性のない物事を結びつけるだけでも、今までにないものを生み出すことができます。

破の中で試行錯誤し、成功したものをより研ぎ澄まし自分だけスキルにすることができれば離れることができたと言えるでしょう。

また、何度も型破りを繰り返して一つのことを進化させれば、元の型とは大きくかけ離れた新たな価値を創造できるかもしれません。方法はいろいろありますが、自分に合ったやり方を模索して、型にとらわれないオリジナルのスタイルを確立してください。

私の仕事上における守破離

私は研究職として働いているため、日々実験を行っています。「研究だから自分で考えて一人で実験してるんでしょう?」と思われるかもしれませんが、検討の内容は上司からの指示に沿って行うことがほとんどです。(守の部分)

そうするとかなり考え方が偏ってきます。しかし、それでは面白くありませんので自分で文献を調査し、過去の実験結果を考察することで自分の意見で実験を行います。(破の部分)

自分の意見でうまくいけばその方向で実験を進めることができ、成功すれば系を確立することができます。(離の部分)

この繰り返しが守破離プロセスとなります。

まとめ

私が初めて「守破離」という言葉を聞いたのは元サッカー日本代表監督の岡田監督からでした。

日本人は上の立場の言うことが絶対であるという風潮が今も色濃く残っています。そのせいで守ばかりが尊重され過去の成功体験にしがみついたプロセスしか生み出せないのです。

先人たちの築いたプロセスを尊重することは重要ですが、イノベーションを起こすためにはやはり破って離れる環境が必要であると思います。

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